★敵兵を撃たなくてよかったのか? ある兵士の感動実話!
攻略の福音
コロナ禍のクリスマス
大変な時代に入ってから二度目のクリスマスを迎えました。
冒頭にリンクしたコラムの最後でも触れていますが、人は困難の中にあっても束の間のやすらぎを求めます。
このたびの事務局便りはリヴィエラ門下生(最強攻略法・海殺しXの購入者)の皆様とクリスマスに相応しいとっておきの話を分かち合います。
幸せの奪い合い
如何なる状況においても、世界中の人々の一人ひとりに確実に一人分の幸せが用意されています。
他人への憎悪が増幅した極致が殺人という犯罪です。それが国家レベルになりますと戦争ということになります。どういうわけか団体戦(?)の場合は犯罪扱いになりません。
社会進化論
一般的には耳慣れない言葉かもしれませんが、「社会進化論」という学説があります。
強い動植物が弱い動植物をこの世から締め出す現象を「淘汰」と呼び、現存する動植物は淘汰されなかった強い生命体なのだと主張します。
社会進化論によれば、優秀な民族だけが生存競争を勝ち抜くことができて、能力の低い民族は優秀な民族に駆逐されるものとされます。
第一次世界大戦前夜
動植物同様、人類にも強者と弱者があり、強い民族が弱い民族を支配してきた歴史があります。
しかし、それよりも驚くことは、第一次世界大戦前の西洋社会において「白人優位論」は万人の常識であったという事実です。
一部の人々は次のステージでは白人間の優劣に決着をつけるべきであるとさえ考えていました。
不謹慎な歓声
西洋諸国の市街地で第一次世界大戦の勃発を告げる街頭ラジオを聴いていた人たちの中には、口笛を吹いたり、飛び上がって喜ぶ人がいたそうです。拍手も歓声も起こったと言われています。
当時の戦争は軍人同士でやるものとされていました。
穿った見方をすれば、軍人は「最強国家決定戦」に出場するアスリートのような英雄であり、戦争も壮大なゲームと見做されていた感があります。
兵士の逡巡
第一次世界大戦の独仏戦での出来事です。
戦闘中に負傷したのか、フランス兵の首には大きな傷跡がありました。それは双眼鏡でもはっきりと見えました。
彼は即座に銃を手にしてフランス兵を撃とうとしました。
その時、彼の心に迷いが生じました。
決断
同じように寒さに震えていたドイツ兵は軍人らしからぬことを考え始めました。
「あいつも俺と同じ人間なんだな・・・」
クリスマスが近づいていました。
きっとずっと会えずにいる家族や恋人の写真でも見せ合っているのだろうと彼は思いました。
寒いはずなのに、何故か体が温かくなっていく不思議な感覚を抱きながら、彼は敵兵を撃たないという決断を下しました。
彼は自分が軍人であることをしばし忘れ、物思いに耽っていました。
「撃たなくてよかった」と。
囚われの身となり・・・
気がつけば彼はフランス兵に包囲され、身動きが取れなくなっていました。
彼は両手を挙げて降伏の意思表示をした後、仏軍の捕虜となりました。
捕虜としての日々は凄惨を極めました。
後悔
人の心は善と悪の間を往来します。
ある日、彼は仏軍兵士の軍事行進を目にしました。餓死寸前の自分とは裏腹に整然と列を成し、勝ち誇ったように行進を続ける敵兵を見て、彼は激しく憤りました。
「こいつを撃ち殺しておけばよかった」と。
あの時、迷わずに撃っていれば自分は難を逃れることができた。こう思った彼は軍人失格ともいえる己の気質を呪いました。
運命の不思議
終戦後、彼は軍人から外交官に転身しました。赴任地は皮肉にも忌まわしい記憶に満ちたフランスでした。
彼はフランスの文化になかなか馴染めず、帰国する日を待ち望んでいましたが、ある日、非常に気の合うフランス人の政治家と出逢いました。
正しかった過去
この政治家との会談中、彼はあることに気づき、はっとしました。
政治家の首に大きな傷跡があったのです。
ふと、そんな疑問が脳裏をかすめましたが、不慣れな英語で込み入った話をすることが煩わしく、結局、その件には触れぬまま会談を終えました。
取り立てて何が楽しかったというわけではないのです。
旧敵国の人間となんのわだかまりもなく、ごく普通に語り合えたことが二人を幸せにしたのでした。
手を握り合った瞬間、ドイツの元軍人は遠い昔の「決断」をしみじみと思い返していました。
「撃たなくてよかった」と。
首に傷を負った目の前の男があの時のフランス兵であろうとなかろうと、「撃たなくてよかった」と。
愛する人と平和と歓びに溢れた佳きクリスマスを!
リヴィエラ倶楽部
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